ABLActivity Based Learning
2016.02.08

スカラー候補生 定例プログラム

食わず嫌いは損をする

お湯を注げば、あとは3分待つだけ。カップヌードルは究極のコンパクト料理。3分で調理が完了して食べられるよう設計されたデザインそのものは圧巻です。実は、そんなカップヌードルに手を延ばしたのはかれこれ約10年ぶり。体に悪いからという信念にも近い想いで、私自身の食生活からは遠ざけていました。

 

しかし、10年の封印を破り「教材」として食べたカップヌードルは、違った価値を与えてくれるものでした。今月のROCKETでは、カップヌードルにまつわる10個の数字から徹底解剖し、カップヌードルを味わいつくすという内容のものでした。数字を通してカップヌードルを色んな視点から観ていくと、単純に善悪や好みでは答えの出せない価値観の葛藤が起こってきます。例えば「3」という数字からは、3分で食べられるという食品開発の裏にある開発者の発想とそれを支えた技術革新についての話題を、また「4.8」という数字からは1日の3分の2の摂取率に到達してしまうほどの塩分量について栄養学の話題を。はたまた、「1000億」という数字からはカップヌードルが世界で1年間に食べられている莫大な数の実態と、その普及の背景について想像力を巡らせます。

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私のように体に悪いから食べたくないという選択肢を取るのも個人の自由でしょう。けれど、一義的な価値感にとらわれ過ぎていては、決して気づかない側面があることをカップヌードルの徹底解剖を通して学びました。10個の視点からカップヌードルを観た時、世界中で命を繋ぐためにカップヌードルを食べている人たちがいるという現状や、カップヌードルの普及を進めた宗教の食のタブー、そして社会構造の変化までもが見えてきます。今まで気にもとめなかった包装紙やそのゴミの分別方法までもが気になって仕方がない。そんな風に思えてくるのも、一つのものを多方面から見る視点を持てたからこそ。

 

物事を多様な切り口で捉えるということは、結局自分の価値観を広げ、選択肢を増やすということ。食わず嫌いのままに批判せず、色々な視点から咀嚼した上でどう向き合うかを選べば、もっと世界が広がるのではないかと思います。カップヌードルをすすりながら、そんな多様な見方が価値観の異なるもの同士の共存をしなやかに支えてくれる土壌をつくるのだろうなと思ったりするのです。

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