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2016.12.19

イベントレポート

好きなことで仕事をつくる -ROCKET第3期の挑戦-

2016年12月19日。平日の昼間から、東京大学大講堂(安田講堂)の前に沢山の子どもと大人の列が出来ました。その数、約500名。

この日に安田講堂で開催されたのは、ROCKET第3期オープニングセレモニーと、「好きなことで働く」と題した公開セミナー。しかも公開セミナーの内容には、全世界で売上1億本を突破し、子どもたちに爆発的な人気のあるゲームソフト、「マインクラフト」の文字。会場には全国からROCKETに新しく選抜された31名の第3期スカラー候補生と、1・2期生有志のほか、我こそはマインクラフトに自信ありといった顔の子どもたちが集いました。

 

オープニングセレモニーの幕開けを飾ったのは、第2期スカラー候補生が制作したムービー。オペラ演出家の佐藤美晴さん(ROCKETアドバイザリー)の演出で、暗くなった講堂内がたちまち宇宙をイメージさせる空間に変わりました。そこに宇宙飛行士姿の中邑賢龍ディレクターが登場し、いつも通りの「よう!」の一声。

壇上で紹介された3期生も、その興味関心はミュージカル、狩猟、鉱物、数学など負けず劣らずバラエティ豊かで、ユニークな子ども達が集まりました。

こうしたユニークな子ども達と、新しい学びに挑戦してきたROCKET。

好きなことから独自に学び続けるスカラー候補生の姿。

さあ、次の話をしよう。会場の期待は高まります。

新しい学びの先に、好きなことで働く未来はあるのか?

 

ROCKET第3期では、新しくオープンSIG(Special Interest Group)を立て、ゲームのマインクラフト(マイクラ)を使ってリアルな文化財を再生するプロジェクトを開始しました。今回の公開セミナーはその旗揚げであり、「ゲームに依存している」とネガティブに捉えられがちな子ども達を「マイクラ職人」として募集し、仕事としてプロジェクトに参加することでその能力を存分に発揮してもらうことにしました。

ROCKETの拠点である東大先端研では、関東大震災後に設計されたスクラッチレンガ貼りの歴史的建造物群が、今もなお研究棟として使用されています。しかし、特殊な機器や大きな実験設備を必要とする研究室としては敬遠され、メンテナンスの行き届かない箇所も沢山あります。ROCKETではそのリアルな建造物群を学びの場として活用しつつ、バーチャルなマイクラの世界に完全再現してみることにしました。そのためにはすぐれた「マイクラ職人」達の力が必要なのです。

 

「マイクラ職人」たるもの、実際の建築を再生するリアリティをもつことも必要です。そこで公開セミナーのゲストに、今回の会場である安田講堂の全面改修工事の建築設計を担当された建築家、千葉学 東京大学副学長をお迎えしました。千葉副学長からは、貴重な写真や図面を見せて頂きながら、「先人達の想いを受け継ぎながら建築をつくる」ことについてお話いただきました。

 

最後に、会場を巻き込んで「好きなことで働く」というのはどういうことなのか議論するなかで、会場のスカラー候補生から千葉副学長へ質問が投げかけられました。

「先人達が築いたものの改修に、自分の創作や意志が入る余地はありますか?」

千葉副学長は、「モノクロ写真や設計者のメモ書き等から改修方法を導き出すのは大変な作業。しかし、どのような改修にするかを決定する時点で、自分の意志が入り、創作がはじまっています。そこをきっぱりと分けることはできませんね」。

バーチャルな世界でものづくりをする子ども達にとって、リアルな歴史的建造物群を忠実に再現することは少し不自由に感じるかもしれません。文化財再生プロジェクトのミッションは、東大先端研の地上、地下、歴史や都市伝説的エピソードまでの全てをマイクラの世界に完全再現すること。しかし、この終わりがなさそうなリアルの追求と、バーチャルで活躍する「マイクラ職人」の能力をかけ合わせたところから、誰も見たことがないような創作がはじまるような気がしています。好きなことで働く未来は、その先に切り開けるものなのかもしれません。

 

 

オープニングセレモニーの様子は下記のURLよりご覧になれます。

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