TTTop Runner Talk
2015.12.05

スカラー候補生 定例プログラム

僕たちのこだわり – 二人のアーティストが作品を通して語る –
鈴木康広 × 高橋智隆

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2015年12月8日、ROCKET2期生の初めてのトップランナー講義は、ロボットクリエーターの高橋智隆氏とアーティストの鈴木康広氏による対談でした。まず、高橋氏は世界初のロボット宇宙飛行士KIROBOや電話にもなるロボットRoBoHoNなどを、鈴木氏は2009年に羽田空港で展示された「空気の人」や瀬戸内国際芸術祭2010に出品された「ファスナーの船」などを紹介し、それぞれに作品を制作する上での経験や価値観などについてお話されました。その後、中邑ディレクターを交えて、高橋氏と鈴木氏の対談。その一部をご紹介します。

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中邑:二人は子どもの頃、どんな子どもだったの?

 

鈴木:僕は実家がスーパーを経営していたので、スーパーが遊び場みたいな感じでした。従業員が親戚のおじさんだったり、近所のおばちゃんがパートだったりで。自分がレジの近くにいて、物を作っては見せて、「うまくできたね」とかほめてもらえたりして。作った物を見てくれる人がたくさんいる環境だった。作っていたのは野球のバットやミットを段ボールを編んで作ったりしていた。身近な素材で既製品を再現して、実際に使ってみる、とか。そういう意味で、デザインの基礎みたいなものを誰にも教わることなく、既にやっていた。

 

高橋:僕の場合は家に来た酒屋のおっちゃんとかに、作った工作とかを見せていましたね。親は、ものを作るのは好きだよね、他の子より得意だよね、と認めてくれていて。作ったものが役に立つかとか日本の未来とかどうでもよくて、自分が面白いと思うものを作る。それが作り続けられるように、みんなに説明ができることが大事だと思いますね。

 

鈴木:ものを作るとき、「普通」と対極にあるような人間の可能性を、僕たち作家みたいな人たちは、プライベートな空間で高めているんですよね。そういう訓練は誰かが教えてくれる訳ではなくて、自分でドキドキして自分の限界を超えるとか、自分自身のことを知って驚くとか、自分の殻を破るというのを自分で開発していく。

 

高橋:今、鈴木さんはかっこいいこと言っているけど、そのへんの道端でしゃがみこんで落ちている木の実とかをツンツンしていることなんですよね。

 

鈴木:そう。結構ヘンテコなんですけど、ただ、自分自身の感覚が全てなので、そこのセンサーを高めるために、道端でツンツンやったり人一倍それを観察してます。変な人だなと思われても、自分のやりたいことを優先するっていう生き方が大事なんじゃないかと思います。ところで、高橋さんは結構ひどいことを普通に言いますよね。

 

中邑:それを僕らは「毒を吐く」って言っているけど(笑)

 

高橋:いやー、なんて言い訳しよう(笑)ディスカッションしているときに、一般的なモラルで話をしていても何も面白いことは起こらない訳で。そもそもこれってどうなの?っていうところからひっくり返すと面白いなと思って、イタズラ心で話している。

 

鈴木:高橋さんの発言で周りがドキッとする。それはすごくアートだな、と思っています。そういうインパクトを高橋さんから今まで何度も受けていて、自分を変えていると思う。

 

最後に、中邑ディレクターからスカラー候補生へ、今日の話題は少し難しかったかもしれないが、みんなにはこういうことを聞いて欲しかった、と話がありました。「異領域の人たちがゴロゴロいるなかで、お茶を飲んだりごはんを食べたりしながら議論して、新しい考えが生まれたり、自分の考えが整理できたりっていうプロセスが起こっていくんだよね。たぶん君達が突き抜けていくプロセスのなかで、こういうことが必要になってくると思う。だから、毒を吐かれてドキッとすることもあるかもしれないけど、みんなには色んな視点を持ってそういう場面に飛び込んで行ってほしい。僕たちは君たちを子ども扱いせず、大人の場にれて行って、そういう場面をどんどん体験してもらいたいな、と思っています。」とメッセージが送られました。

 

 

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