TTTop Runner Talk
2016.03.07

スカラー候補生 定例プログラム

人の幸せを作る、その仕組みをビジネスにする
西山浩平(実業家)

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2016年3月7日のトップランナー講義は、実業家の西山浩平 氏による「人の幸せを作る、その仕組みをビジネスにする」。西山氏はユーザーの声から商品を開発するスペシャリストとして、「空想無印」「LEGO CUUSOO」など数多くの”みんなの欲しい ”を実現するサービスを世の中に生みだしています。

 

学生時代、彫刻家を目指していた西山氏。彫刻を学べる海外の大学を志望していながらも、親の反対を受けて日本の大学へ。その後、彫刻に没頭するもお金は回らず、近い造形物として鞄や家具を作って生計をたてたと言います。「自分が欲しい物を作る以外に、他人が欲しい物を聞いて作ることでお金が回ることに気づき、”自分の時間を売らずに、作った物を売って収入を増やす”にはどうしたら良いか、試行錯誤していきました。」

 

ユーザーのニーズを聞いて鞄や家具を作るビジネスは年商3,000万円ほどに成長するも、経営知識を学ぶため大手のコンサルティング企業に入社。そして1997年、クラウド上でみんなの“欲しい”を集約・情報化し、商品化を支援する、現在のクラウドファンディングの先駆け的サービス『CUUSOO SYSTEM』を創業します。「ユーザーの“欲しい”を聞いて、集積して分析する。弱いシグナルでも、それを集約する機能があれば、未来の市場に変えていけるのではないかと思うようになっていきました。」

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西山氏は現在、これまでの経験を活かして新たな挑戦に取り組んでいるのだそうです。「LEGO CUUSOO というプロジェクトのとき、みんなが使えるためのサイトを作ろうと思ったのに、気がつくと、お金持ちで友達がたくさんいて色んなスキルを持っている人しか使えないサイトになっているのではないかと思うことがあったんです。ユーザーが増えれば増えるほど、できる人はどんどん集約されて、できる人のレベルは上がっていくけど、そういう境遇にない人は参加できない、そんな状態を解決したいと思うようになりました。」

 

そして、その打開策として目を付けのが、“紙”。「紙は、大抵どこにでもあるし、高いお金を払わなくても良く、使い方を覚えればいくらでも再現や発展ができる。そこで『紙でロボットを作れないか』と考えるようになりました。現在取り組んでいるのは、世界でまだ誰も成功していない領域、棒と紐に圧力をかけて構造物を作る”テンセグリティ”という方法での紙ロボット作り。テンセグリティの先端のレベルはまだまだ未成熟。だからこそ、挑戦していけば世界の最先端に躍りでていけるのではないかと思っています。」

 

この日、スカラー候補生はテンセグリティの手法で紙ロボットのパーツ作りに挑戦する時間があり、すかさず質問があがります。その一部をご紹介します。

 

スカラー:「人間の体が既にテンセグリティで成り立っているのに、あえてそれをロボットに応用する必要があるの?」

 

西山:「ロボットの研究でいうと、今の技術を実用化するための専門家は存在している。でも、将来の先端になるには、今まだ証明されていない技術を勉強する必要がある。教科書があれば、それは誰かが教えているということ。最先端、すなわち教科書がない状態を勉強するためには、自分が教科書になっている状態を作りだす方が良いと思っています。」

 

スカラー:「プログラムを伝えられてから自分でやってみて、一日でできるような簡単な物じゃないと思った。」

 

西山:「だからこそ、面白い、そして先端なんだ。みんなは、今ある技術だけを勉強しても将来は日用化された技術の専門家になってしまう。」

 

スカラー:「最近のめざましい科学の発展はすごいと思うが、人間がロボットに頼りすぎて堕落してしまうのではないかという懸念があります。」

 

西山:「ロボットにできない領域を常に発見し続けること、好奇心を持って人間が果たせる役割について探求したり、人類がロボットを開発するに至るまでの歴史を振り返ったりしつつ、一人一人が折り合いをつけていくことが大切だと思います。」

 

スカラーが続けて質問します。

 

「ということは、どの意見が正しいわけでもなく、唯一正しいのは、寛容さを持って多様な意見を認めるということですか?」

 

すると、西山氏が付け加えます。「そう思う。ただ、相手が言っていることを理解した上で、それでもやっぱりこっちの方が正しいのではと思うことがあるならば、寛容さに加えて、人々に問いかけ、引っ張るという作業も、可能ならばやってみることを強く勧めます。」

 

最後に、”みんなの欲しいを形にする”ことに携わる西山氏ならではのメッセージが伝えられました。「他人を幸せにしようと思っても、時にそれは偽物っぽい。まずは自分のやっていることが楽しくて、幸せになっていること。そして、それにお金が入るようになっていること。その結果、他の人をハッピーにできれば、ということが今日伝えたかったことです。」

 

自分の夢中なことを追求する先に、みんなの”欲しい”も実現する。そんな生き方を突き進む先輩の話から、スカラー候補生たちはどんなことを感じたのでしょうか。

 

 

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